麦わら冒険隊〜エピソード1 喰われたらゴメン〜

第3章 生還!

ヤーシュの思わぬ行動でピンチに陥った一行。このまま蟻のエサと化してしまうのか!?(笑)

・・・《註6:DM:正確にはヤーシュのプレイヤーのとった行動です。》


DM:(気を取り直して)で、ヤーシュ、君の目の前にモンスターが迫って来てるけど?
ヤーシュ:急いで逃げます「みんな待って〜」(笑)
DM:じゃあみんなしばらく行くとT字路に突き当たるね。
グレッグ:左は行き止まりなので、右へ行きます。
リディア:ついていきます。
パセック:右に同じ。
ヤーシュ:右に同じ(笑)
DM:そうするといくらも行かないうちにY字路に出るね。蟻は・・・おおっと、T字路を左に曲がったようだ。君たちを追いかけてくる気配はなくなったね。
グレッグ:(嘆息)やれやれですな。
ヤーシュ:今のうちにさっきの通路を進んでおいた方がいいんじゃ?
グレッグ:さっきの場所だと前衛が一人で蟻の攻撃に耐えなきゃならんからな。それにどうせこの洞窟は全部調査しなきゃならんし。
DM:Y字路は右左あるけど、どっちにいく?
ヤーシュ:(ダイスを振って)「ここは左の目が出てるぜ、旦那」
グレッグ:じゃあ右から、ってことで(笑)
パセック:異論なし(笑)
リディア:異論なし(笑)
ヤーシュ:しくしく・・・。
DM:(笑)右の道を進んで少し行くと、広間に出るね。直径五メートルくらいの半球状を想像してもらえればいいかな。
リディア:中には何かありますか?
DM:あるね。中にはさっきの蟻のものとおぼしき白い卵がたくさん。それに広間の中央の床に直径二メートルくらいの穴がぽっかり空いてるのが見えるよ。ちなみに先に行く道は見当たらないね。
ヤーシュ:二メートル? さっきの蟻は三メートルの天井ギリギリまで高さがありましたよね?
DM:さっきは後ろ足で立ってたからね。この二メートルの穴でも入ることは出来るだろう。
グレッグ:決めた! 卵は燃やそう! で、さっさと先へ行こう。
パセック:お、急にやる気が出てきた。
グレッグ:おうよ! イザとなった時あの蟻と戦う決意が今ついた(笑)  どうせこのパーティーだと俺が前衛だろうしな。
パセック:(他人事のように)頑張れ〜(笑)
グレッグ:お前も前衛だろうがよ!
DM:とりあえず先に行こうか。さっきのY字路を今度は左に行く、でいいよね?
グレッグ:それでかまいません。
DM:するとさっきと同じような広間だね。中にあるのは蟻の餌、だね。
ヤーシュ:ここも行き止まりですか?
DM:そうだね。先に進む道は見当たらない。
リディア:やはりさっきの通路を進むしかないようですな。
パセック:わかってるよね? ヤーシュ(笑)
ヤーシュ:(ひきつった笑み)も、もちろん。ではなるべく忍び足でまずはT字路まで戻ります。
リディア:君以外の三人はプレートメイル着てるから忍び足しても余り意味ないけどね(笑)
グレッグ:さっき我々を追いかけてきた蟻は?
DM:そこまで戻ってきても、見当たらないね。
パセック:外に出ちゃったかな?(笑)
グレッグ:それなら岩をどかす音がここまで聞こえるだろう・・・あ!そうか! あの天井の傷! あれは蟻が入り口をふさいだということか!
DM:ご明察♪
ヤーシュ:じゃあますます外に出た可能性はない、か・・・。
グレッグ:とにかく先へ進もう。隊列は・・・さっきと同じにするしかないけど(笑)
ヤーシュ:戦う覚悟の出来た旦那が先頭じゃないの?(笑)
グレッグ:ダンジョンで僧侶が先頭の隊列なんてありえんだろう(笑) それに一度したミスをまた犯すほど無能でもあるまい?
ヤーシュ:へいへい。では参りますかね。・・・もちろん忍び足で。
DM:さっき蟻と遭遇した辺りまで来たけど、なにもいないよ。
ヤーシュ:ガシガシ進みましょう。
DM:ではしばらくいくと左へ伸びる分岐が見える。そしてヤーシュ。
ヤーシュ:はい?
DM:その分岐の方から、"カサカサ・・・カサカサ・・・"という音が聞こえるね(笑)

グレッグ、パセック、リディア:……"じーーーっ"(ヤーシュに注目)
・・《註7:DM:"じーーーーーっ"》

ヤーシュ:まずランタンを布かなんかで覆って光量をしぼります。で、その分岐をのぞいて見ましょう。
DM:では君の目には向こうをむいて穴を掘っている巨大な蟻の姿がボンヤリ見えるね。
ヤーシュ:蟻はこちらに気付いた様子はありませんね? なら他の三人に手で"先に行け"と合図を送ります。もし途中で蟻に気付かれたら、ランタンの布を取って戦闘態勢、ということで。
グレッグ、パセック、リディア:おお〜(拍手)
DM:(ダイスを振る)どうやら誰も蟻に気付かれることなく通り抜けられたようだね。
ヤーシュ:さらに奥へ進みましょう。
DM:しばらく進むと壁らしきものが目の前に現れるね。
パセック:らしきもの、ですか?
DM:うん。壁"だった"ものと言った方がいいかな? 今まで歩いてきた洞窟とは違う、石造りの壁の、破壊されたものが目の前にある。
リディア:どんな風に破壊されてますか?
DM:あちこちにどこかでみたような引っかき傷があるね(笑)
リディア:なるほど(笑)
ヤーシュ:壁の向こうには行けそうもないですか?
DM:残骸を避けて歩けば行けそうだね。
グレッグ:では進みます。
DM:壁の向こうは洞窟とは打って変わって明らかに人工の建造物だね。壁も天井も見慣れた町の建物と造りがそっくりだね。
パセック:通路の大きさは?
DM:洞窟よりも一回り狭いね。縦3メートル弱、横2メートルってとこかな。
ヤーシュ:なるほど。壁を壊したはいいが、蟻野郎には入れなかった、と。
DM:ピンポーン♪
グレッグ:通路はどういう風に伸びてますか?
DM:洞窟から見て、左に伸びてるね。
グレッグ:ではさっきの隊列で再び進軍。
DM:そうするといくらも行かないうちに前方に明かりが見えてくる。話し声らしいものも聞こえてくるね。
ヤーシュ:話の内容は分かりませんか?
DM:ヤーシュには判別できない。これは・・・リディア、君には分かるね。ゴブリン語だ。
リディア:ようやくマトモに相手できそうなのが来ましたね(笑)。何匹いそうかわかりますか?
DM:(ダイスを振る)二匹いそうだね。
グレッグ:よっしゃー。突っ込むー。蟻よりましやー(笑)
パセック:グレッグが突っ込むのを見て、僕も行きます。
ヤーシュ:俺はクロスボウで援護射撃します。
リディア:観戦モードです(笑)
DM:じゃあ三人が部屋に入ったね? とりあえず部屋の様子だけど、大きさは10Χ10メートルの部屋だね。向かって左側と正面の壁一面が本棚になってるね。ただぱっと見た限りでは本は入ってない。右側の壁には奥に進む通路が見える。で、部屋の中央で二匹のゴブリンが火を囲んで食事してるのが分かる。じゃあ戦闘に入るね。

数ターン経過・・・


グレッグ&パセック:楽・勝!!
DM:さすがにゴブリンぐらいじゃ足止めにもならないか。
グレッグ:こっちは二人ともプレート着てますしね。
パセック:ハーフリングがプレート着ると(敵の攻撃が)全然当たりません(笑)
リディア:では部屋を捜索しますか。
プレイヤー一同:(ダイスを振る)
DM:(プレイヤーのダイス目を見て)ヤーシュ、君は隠されていたビンを二本発見する。中には透明な液体が入ってるね。ちなみに他のキャラにはまだ知られていないよ。どうする?
ヤーシュ:さりげなくバックパックに入れて、他のキャラに声をかけましょう。
「そっちはどうだい?」
DM:他のキャラは特に何も発見できなかったね。
グレッグ:「さっぱりだ」
ヤーシュ:「じゃあ先へ行こうか」と言って奥の通路へ進もうとします。
パセック:僕は隊列的にヤーシュのすぐ後ろだよね? じゃあヤーシュのあとについて行こうとしてバックパックの妙なふくらみ方に気付きます。
「アレ? ヤーシュ、これなに〜?」(笑)
ヤーシュ:ち、バレたか。
「いやなに。さっき見つけたんだけどよ・・・」
そういってみんなに見せましょう。
リディア:「まさか貴様、独り占めをしようとしたのではあるまいな?」
ヤーシュ:「ちげぇよ。どうせ今すぐ中身を調べる方法なんてないんだしよ、俺が預かっとこうとだな・・・」
リディア:「ふん。どうだかな」
グレッグ:「とにかく、今後こういうのは見つけたらすぐ教えろ」
そういって先に進みましょう。
DM:奥の通路も大きさはさっきのと変わらないね。しばらくすすむと左に折れて、やがてT字路に突き当たる。
ヤーシュ:(ダイスを振る)「・・・右だな」
DM:右に行くとすぐ左に通路が折れて、目の前に扉が現れる。木製だね。
グレッグ:ヤーシュ。出番だぞ。
ヤーシュ:まずは扉に聞き耳から
DM:扉の向こうから音はしないね。
ヤーシュ:続いて罠チェック、鍵チェック。
DM:罠は無いと思った。でも鍵がかかってる。
ヤーシュ:レッツ、アンロック。
DM:お、上手くはずれたよ。
ヤーシュ:ドア、オープン。
DM:中は3×3メートルほどの書斎だね。机と椅子、それから本棚があるね。
ヤーシュ:机は俺様がいこう。
グレッグ、パセック、リディア:じゃあ我々は本棚ですかね。
DM:まず本棚からいこうか。何冊か本が残ってるね。
リディア:適当に手に取って、パラパラとページをめくってみますが。
DM:ここの元の主の日記だね。彼はどうやら死霊使いだったようだね。
グレッグ:ネクロマンサーか・・・。この先にそれ系の敵がいる、ということか・・・。
ヤーシュ:机は?
DM:引出しが一つついてるよ。
ヤーシュ:罠&鍵チェックよろしう。
DM:罠も鍵もないみたい。
ヤーシュ:ではあけませう。
DM:すると中には鍵が一つ入ってるね。
ヤーシュ:鍵? どんな?
DM:君が見たことのない特殊な形状をしているね。柄の部分にダイヤの彫刻が施してある。
ヤーシュ:もらっときます。あ、もちろんみんなにも知らせますよ(笑)。
DM:他に目ぼしいものは見当たらないね。
グレッグ:ではさっきのT字路から反対側へ行ってみましょう。
DM:そちらにも扉があるね。
ヤーシュ:マスター、いつもの(笑)
DM:罠は無いと思った。でも鍵が開けられない。そして君がよくみると取っ手にダイヤの彫刻が施してある。
ヤーシュ:なるほど。では先ほどの鍵を使います。
DM:かちゃりと音がして鍵が外れるよ。
ヤーシュ:忘れてた。聞き耳しよう。 ・・・《註8:M:今からかよ!》
DM:扉の向こうから「ヴ〜、ヴ〜」といったうめき声が複数聞こえるね。
グレッグ:ここにいたか。武器を構えましょう。
パセック:僕も戦闘準備を。
リディア:私も一応しておきます。
ヤーシュ:「用意はいいか? じゃあ開けるぜ」
そういって扉を開けましょう。
DM:部屋はさっきよりだいぶ大きい10×10メートルの大きさだね。家具類は特に見当たらない。でも、なにかうごめくものがたくさんいるね。
グレッグ:声を出してるのはおそらくゾンビですよね? 何体います?
DM:ゾンビは全部で五体だね。あとそれより一回りほど大きいモンスターが一体。両手には鋭い爪が生えている。
パセック:もしかして・・・グール?
DM:その通り。
グレッグ:ぎゃわわわわわ。
ヤーシュ:え? グールって強いの?
リディア:ああ。ヤツは二回攻撃してくるんだ。
DM:しかも麻痺の毒持ち。あ、でもエルフなら麻痺しないけど?(笑)
リディア:私のような虚弱体質ではその前に死にますな(笑)
DM:では戦闘を開始しようか。

戦闘は苛烈を極めた。 グレッグのターンアンデッドでゾンビが二体崩れるも、 グールの脅威に対抗するにはグレッグもメイスを振るわざるを得ず、 結局ダイス目勝負の展開に。そして・・・


DM:ゾンビの攻撃! ヤーシュに二点のダメージ!
ヤーシュ:うおっ!? ピッタリHP0にっ!?
DM:するとヤーシュ、君のペンダントが光を放って君の体が光に包まれるね。そして光が消えると、君はHP1になって復活する。
ヤーシュ:おお?! そんなすごいアイテムだったのか!
DM:続いてゾンビの攻撃! リディアに二点のダメージ!
リディア:死にました〜〜〜。
DM:すると君もヤーシュと同じようにHP1で復活する。ちなみに二人とも、なんとなくペンダントから感じていた力が今は感じられなくなっている。
ヤーシュ:もう復活できねぇってことですか。
リディア:確かに何回も使えたらダメだよなぁ。

このDMの一言で奮起したパーティーは見事グールの撃退に成功したのであった。


DM:いや〜、ヒヤヒヤもんだった。
パセック:結局僕とグレックのペンダントは光らず終いでしたね。
ヤーシュ:「でもリディア、お前さんも俺と同じようなペンダントを持ってたんだな。ちなみに俺のは鴉のレリーフ入りだが、お前さんは?」
リディア:「私のは魚が彫られています」
グレッグ&パセック:見せませんよ。
ヤーシュ&リディア:見せないの?!
グレッグ:いやだって別になぁ(笑)
パセック:ほら、俺らのペンダント光ってないし(笑)
DM:まぁ別に(ペンダント)してるかどうかも鎧着てたら分からないしね。
グレッグ:そゆこと。
パセック:光ったら見せてあげるよ。
DM:さて、グール達のいた部屋の向こうにはまた木製の扉があるね。
ヤーシュ:聞き耳&罠チェック&鍵チェックの三点セットで。
DM:音はしない、罠は無いと思った、鍵もかかってない。
ヤーシュ:開けましょう。
DM:扉を開けると、5×5メートルの大きさの部屋の床に魔法陣が描かれているのを発見する。
ヤーシュ:(グレッグを見て)「どうする? 旦那」
グレッグ:ここまで来て罠もあるまい。どうせこのまま引き返したら蟻がいるしな。
パセック:忘れてた(笑)。蟻いたねぇ。
グレッグ:飛び込もう。
DM:魔法陣に飛び込むと、宙に浮くような感覚の後に外にいるのに気付くね。どうやら洞窟のあった丘の上のようだ。
ヤーシュ:(汗をぬぐう仕草)「ふぅ、無事に帰ってきたか」
パセック:「ほうこく〜、ほうこく〜」
DM:君達が村に帰って村長に事の顛末を報告すると、村長さんは驚いて約束の500Gを払ってくれるよ。
グレッグ:(手を合わせて)ありがたや、ありがたや。
DM:で、君達が無事に町まで帰ってきてギルドのマスターに報告すると、マスターは蟻退治に行ってくれる冒険者を募集するワケだ(笑)。
グレッグ:例の2本ポーションの鑑定を依頼したいのですが?
DM:そうだったね。あれは一本がキュアーポーションで、もう一本が飲むと一定時間麻痺しなくなる、という効果のポーションだとわかるよ。
パセック:グール対策、ですか。
DM:まぁダンジョンで見つけたポーションをいきなり飲む、ということはなかなかないだろうけどねぇ。
リディア:ですな。
DM:他は何もない? じゃ、D&D第一回のプレイはここまで、ということで。
一同:おつかれさまでした〜。



「全く、一時はヒヤヒヤしたぞ」

酒場の席に着くなり、グレッグが俺をにらみながら叱りつけた。もっとも、生還できた喜びからか、口元が緩んでいたので、大して怖くもなかったが。

「そうだよ〜。アリさんにたべられてしんだらかっこわるいし〜」

「全くだな」

パセックとリディアも口々に俺を攻め立てた。さて、どう反論してやろうか、と俺が考えていると、給仕の娘が注文を取りにきた。

全員分のエール酒と適当にツマミを頼むと、ほどなくして4人分のジョッキとツマミが運ばれてきた。

「まぁなんだ、いろいろ言いたいことはあると思うが、無事に生還できたことだし、まずはめでたしめでたしってことで、さ」

俺がジョッキを片手に持ちつつ立ち上がると、みんなもそれぞれジョッキを持ちながら立った。

「よし、じゃあいくぞ。4人の生還を祝って!」

「我が神に」と、グレッグ。

「おつかれさま〜」と、パセック。

「・・・・・・おつかれ」と、リディア。

『かんぱーい!!』

酒場の喧騒に負けないくらいの声とジョッキのぶつかり合う音が響いた・・・・・・・。


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