――フィン!
レージラール(実験中)でレイチェルは一瞬にしてアルサロサの町に帰ってきた。
しかし、その町には見慣れぬ顔ばかり……フォルクスやリオの姿は何処をどう探しても見つからなかった。
「……? ……何処に行ったのかしら??」
レイチェルは一人、首を傾げた。
すると、誰かがレイチェルの肩を叩いた。
「アレ? あんた……レイチェルって言う人?」
そう問われて振り向くと、そこにはまだ少年といった感じの金髪の少年が驚きの表情を浮かべて立っていた。
「はい〜確かに私はレイチェルですが……? どなたですの〜?」
どうやらレイチェルはその少年、アルフェリアの事を覚えてはいなかった様だった。
アルフェリアは少し考えた結果ずる賢そうな笑みを浮かべた。
「なあ、あんたフォルクス達を探してるんだろ?」
「あら? フォルクスさん達を知ってすんですの〜?」
「まあね、フォルクス達にあんたが来たら連れてこいって言われた所があるんだけど……」
そこでアルフェリアはチラリとレイチェルを見てから言った。
「来てくれるかな?」
「はい〜良いですよ〜」
レイチェルの答えはいたって簡単だった。
アルフェリアはあまりのあっけなさに自分の方がレイチェルを疑ってしまった。
「(ビショップ様って……こんなんでいいのかよ……。)」
「どうしましたの〜? 早く行きましょう〜! 雨も振ってきましたし〜」
「あ……ああ、そうだね……こっちだ」
そして、レイチェルとアルフェリアが町のはずれのボロ小屋に雨宿りに向かったのと、フォルクス達が雨の中、帰って来るのはわずかな差があっただけだった。
「まったく……レイチェルは何処にいったんだ! 精霊に聞いても森には居ないって言うし……それにエルフと戦ったそうじゃないか!
ほんと、むちゃくちゃな奴だな!」
「けど……もしかして、そのエルフに捕まってるんじゃ?」
「それは無いな……精霊があんな魔力が強いレイチェルを森の中で探せないはずが無いからな……それにエルフにだってレイチェルは捕まらないと思うし……」
「そうかしら……彼女、ちょっと天然な所があるから」
ここで初めて、フォルクスはリオがレイチェルのボケた所しか見たことが無いと言うことに気付いた。
流石にあのボケ〜っとしたレイチェルならエルフに捕まる可能性も無いことは無いが……厳しい面影のあるビショップの名に相応しい凛とした姿のレイチェルなら捕まるというのはまず、考えられなかった。
しかし、更に上を行くレイチェルを見たとき二人はどう思うのだろうか?
その頃、ルンド&セザールはマッハでアルサロサに向かっていた……
馬車は揺れに揺れまくり、一緒に乗っていたいた荷物も点々と置き去りになっていた。
「レイチェル様ぁーーー!! 今、このルンドがお迎えに上がりますーー!!」
今までに見たことの無いルンドの至福の表情にセザールはちょっとした和み気分を覚えた……しかし、それも束の間……
大きな石に右後輪が当たり、ちょうどそこにいたセザールは宙に浮き、気付くと上半身が馬車から落ちそうになっていた……。。
「ルンド……あ、安全運転を……」