そろそろ日も昇り始め、目的も無くうろうろしていたアルフェリアは宿屋へ向かって歩き出した。
ちょうど宿から誰か出てくるところにぶちあたった。
「……あ!」
一人は知らない少女だ。自分より少し上くらいだろう。
もう一人はフォルクスだった。だが、レイチェルはいなかった。
向こうもこちらに気付いたのか視線が合う。
「よっ、また会ったな♪」
多少の驚きを含んだ表情を見せたフォルクスに対してアルフェリアは軽く挨拶をした。
「知り合い?」
隣の少女が問う。
「旅の途中の通りすがりだ」
概ね間違っていないのだが、なんとも冷たい返答だ。
アルフェリアは苦笑してフォルクスに近づいた。
「冷たいなぁ、オレはあんたに会いに来たってのに」
アルフェリアはにっこりと、人好きのする笑みを見せた。疑問の表情を投げかけるフォルクスを見て、アルフェリアは話を進める。
「レイチェルは一緒じゃないのか?」
フォルクスの目が変わった。警戒の色だ。
ここまでの話の流れだと、フォルクスは自分を賞金目当てだと思っているだろう。レイチェルを引き渡す気が無いにしろ賞金を狙ってるにしろ警戒するのは当然だ。
「一緒なら何かあるのか?」
「彼女さぁ、ラジアハンドのビショップなんだってな」
鋭い口調で言ってくるフォルクスに対し、アルフェリアはあくまでも明るい雰囲気を崩さなかった。
「知ってる」
知らないはずは無いだろうとは思っていた。似顔絵つきの手配書まで回っているのだ。それらはイヤでも目に入るだろう。
「知ってるなら話は早い。もしレイチェルを引き渡す気がないならさ、オレにも協力させてくれないか?」
アルフェリアは、にやりと不敵な笑みを見せた。