ファンタジア

ウェン9

「奇妙なモンだろ?」
 今まで無言だったサダインが口を開く。
 表情がどこか大人びて感じる。
「アイツの趣味。珍品収集」
 ウェンの隣に歩み寄る。
「今回もどっかから拾ってきた。
 あの子も、コイツらも」
 そういって4匹に視線をかえる。
「本当に、この女の子が商品なですか……?」
 まだ信じられない。
 いくら闇市だからって、人を売買してもいいのだろうか?
「闇市は……なんでもアリだからね」
 再び視線を少女に変える。
「この子、パムランって名前なんだけど、
 ……眼、見えないみたいなんだよね」
「盲人……ですか」
「そ。だから自分に翼があることが特別だともわからない」
「そんな人を、闇市なんかで売りに出すんですか……?」
「そーゆーヤツなの。アイツは」
「……解らない」
 何故平気なのか。
 何を考えて、この哀れな身体障害者を売りに出すのか。
(解らない……)
「解んなくていいよ。むしろわかんないほうが普通だよ?」
「…………」
「んじゃそろそろ行こうよ。
 ほかの商品も一応見ておいたほうがいいし」
 サダインがウェンの腕をひいて階段をあがる。
 明かりはつけられたまま。
 しかし少女は気にしない。
 ……気にできない。
 彼女には光も闇もない。
 それが彼女の『アタリマエ』。

(―――――…解らない……)

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