「目撃情報によるとあの街だな……」
ルンドは酒場から出ると早速その近辺を捜索していたラジアハンド騎士から最も有力そうな情報を入手してそこに向かうことにした。
そして辿り着いたのが、このアスリース寄りのストレシアにある街だった。
「……やけに騒がしいな」
その街は、街の外にいるルンドにでも分かるほどの騒々しさだった。
まるで、何か大勢で暴れているような……
「まさか!」
そのまさかだった。
ルンドが急いで街に向かうともうそこは野党が我者顔で街を堂々と闊歩していた。
「なんてことだ……!」
驚きと同時に不安がルンドの脳裏をよぎった。
(もしここにあの方がいらっしゃったら……!)
「……い、おい! てめえ!!」
気付くと周りを四、五人のいかにもといった風貌の男達が自分を囲んでいた。
男達は口々に何か喚き始めた。
「てめえ、堂々とここに入ってくるとは良い度胸じゃねえか」
「この街は、もう俺達のモンなんだよ!」
「見たところ、ラジアハンドのお偉そうなナイト様らしいがな、てめえ一人でこの人数をしょっ引こうなんて間抜けなこと考えてンじゃないだろうなあ!」
しかし、そんな男達の怒声には構ってはいられなかった。
「おい、ここに16、7歳位のエルフの少女は来なかったか?」
まともな答えは返?てこないだろうと頭では充分に理解しているハズだが、ついそんな質問をしてしまった。
「なっ、てめえ! 馬鹿にしやがって!!」
別に罵倒している訳ではなかったが、男達にはそう聞こえてしまったらしい。
「たたんじまえ!! どうせ街の外から来た奴は殺っちまえって命令なんだ!」
(何! 殺す!?)
一気に身体から血の気が引いていくのが感じられた。
「へへへ、こいつ殺すって言ったら急に青くなったぜ、ざまあねえなあ」
「お前ら、今の言葉は本当か?」
冷静の糸がやっと一本繋がっている感じだった。
「おお! そ……」
ゴッ!!
その男の言葉を聞き終わらないうちに手が動いてしまった、その手は男の歯を幾つか叩き折ると次に素早くクォートを抜き放った。
「貴様らあぁぁっ!!」
冷静の糸の最後の一本が切れてしまった。
……次に意識が戻ったのは昏倒する野党達の中心だった……