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リオ5

第五章    リオの救出

 リオは、レブルの森の奥まで連れてこられていた。
 思い切り睡眠薬を飲まされたため、ぐっすりと眠り込んでいる。
「おい…。王子はまだかよ…」
「ここの森で待ってれば、すぐに来るはずだ。じっと待ってろ」
「それにしても遅いぞ」
 リオをさらった三人組は、王子が来るのをしびれを切らして待っていた。
 ……一方、フォルクス達は茂みからこの様子をずっと見ていた。
 気付いたは気付いたが、下手に近づくと失敗してしまうかもしれないと、様子をうかがっていたのだ。
「おいっ! 王子が来たぞ!!」
 別の茂みのほうからガサガサと音がして、一般庶民をよそおったアストが出てきた。
「遅くなってすまない。準備が手間取って……」
 頭にかぶせていたフードを取りながら、アスト王子はリオに近寄った。
「ああリオ…君がいけないんだよ…。この僕から逃げようとなんてするから…」
 そっとリオの顔に触れた。
 その瞬間、リオは目を覚ました。
「……!……」
 さすがのポーカーフェイスも、この時ばかりは通せなかった。
 目の前にアストがいる。後にはヤクザのような男達が3人もいる。
 リオはすぐさま立ち上がり、攻撃態勢に入った。
「…やだなぁ、リオ。僕はなんにもしてないよ。さぁ、城に戻ろう」
「………」
 リオは黙ってアストを見つめた。
「……………………」
「…そ、そんな目で…」
「………」
「そんな目で僕を見るなぁぁぁあぁぁぁ!!!」
【レージラール!!】
 アストが叫んだ途端、レイチェルが3人の男達のところへ瞬間移動し、攻撃した。
「だ、誰だよ、お前は!?」
「…私の名はレイチェル。リオさんを…リオさんを渡しなさい!!」
「なっ…何バカな事を…。リオは僕のものだ。誰にも渡さない!」
 アストはそう叫び、3人の男達にこう怒鳴った。
「おい!リオを渡すなよ!!」
「もう遅いぞ」
 いつの間にかリオはフォルクスらの手によって助けられていた。
 遠く離れたところで勝利の笑みをうかべているフォルクスを見て、アストはカッとなった。
「お…お前らなんかに…。お前らなんかにリオを渡すかぁ!!」
 アストは腰についていた剣を抜いて、フォルクス達に立ち向かった。
「うわっ!」
 間一髪よけたが、アストはまだフォルクスを狙って追ってきた。
「でぇぇぇぇええぇぇええぇぃ!!!!」
 ブンブン剣を振り回しながら、アストは狙ってくる。
 身のこなしが軽いフォルクスとヴァンはよけられたが…
「リオさん!!」
 よけようとしていなかったリオに、アストが振り回していた剣がささった。

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