ファンタジア

レイチェル9

「リオ殿は……レブルの森の方角へ連れて行かれたようですわね……」
「そうか……それなら大丈夫だ……」
 レイチェルがそう言うとフォルクスは小さく笑い、レブルの森に向かって走り出した。
レイチェルも何も言わずにそれに続く……。
「えっ……ええっ???」
 一人取り残されたヴァンはレイチェルの変貌ぶりに驚いてしばしその場で立ちつくしていた……。
「ちょ……ちょっとまってくれよ〜!!」

 そして、三人はレブルの森の入り口の前に立っていた。
「なにか……この中から敵意のある魔力を感じます……」
「ちっ……仲間にソーサレスがいるのか」
「どうする? このまま行くか?」
「いや、せめてソーサレスが何人いるか位聞いておこう。もしかしたらレイチェルがなんとかしてくれるかもいれないしな……」
「聞くって誰に?」
 ヴァンがフォルクスに聞き返す。
「俺が誰だかわかってんのか? これでもフェアリーマスターだぞ……しかも、前までここにいたしな……馴染みのヤツラも多い」
「なるほど!! それじゃああと宜しく〜」
 そう言ってヴァンは視線をフォルクスからレイチェルへと移動しレイチェルに話かけた。
「やあ、僕からの自己紹介がまだだったね、僕はヴァン。アカデミーでは魔術を先行しているんだ」
「そうでしたか、研究は捗っておられますか?」
「いやぁーまあーぼちぼち〜それにしても、フォルクスが女の子連れなんて驚いたなぁ〜所で……本当の所はどうなんだい?」
 精霊との会話に神経を集中させているフォルクスには聞こえないようにヴァンがこっそり言う。
「私はこの世界のどこから、ある日混沌の波動を受け、その排除の為に今こうして旅をしているのです。フォルクス殿とは去る出来事で利害が一致して今、こうして旅をしています」
「ふーん……なんかおもしろい人だなぁ〜さっきまでの口調と全然ちがうや」
「……それは……」
「オイ! 人数が分かったぞ!」
「わかった! 何人だい?」
 そう言ってフォルクスの方に駆けていったヴァンを見ながらレイチェルは小さく苦笑した。
「(なんで……こんな事になってしまったのかしらね……)」

「まず、相手のソーサレスは3人……まあ、お姫様奪還メンバーときたから、そんなに高度な魔法は使ってこないハズだ」
「でしたら私だけで十分ですわね」
「ああ、レイチェルはそいつらを頼む、俺とヴァンはリオの救出をする」
「ちょ! ちょっと! いくらそいつらが雑魚だったとしても年下の女の子に3人も任せるなよ!」
「私は……あなた方よりも軽く一回り以上は歳をとってますよ」
「えっ……?」
「私はエルフですから……外見は、まだ幼いですけど」
「そういえばそうだな……」
「ハハ……そうなんだ……でも、本当に大丈夫なのかい?」
「はい、お気遣いなく…」
「そうだぞ、レイチェルは言っちゃ悪いが魔法関係に関しては俺達より遙かに強いからな…」
「……そうなの?」
「はい…」
「そか…」
 なんだか落ち込んでいるようなヴァンをしりめに二人は森の中へと駆けていった。

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