アルフェリアがルークのお使いに出ていってしまった後レイチェルはしばしルークと話をした。
「アルフェリアさんの事は、やはり家の問題ですのね」
「ああ、その事もいつか……ちゃんと決着を付けなければならない時がくると思う」
「……家か……」
「???」
「いえ……別に……あっ! そうでしたわ! 私、宿に戻らなければいけないのですわ! ああっ! コレが私たちが泊まってる宿の住所と名前ですわ。アルフェリアさんが戻ってきたら伝えて下さい! でわ〜〜」
不自然に急いだレイチェルはそのまま駆け出す様にルークの居る家から飛び出した。
宿には無論、用事もなにもない。
あの場から逃れる為の口実にすぎない。
「わたくし……家と言うのを持ったことがありませんわ……」
寂しそうにレイチェルは呟いた。
そもそも、彼女は生まれた時からビショップになっていたし
それを変に気にすることも無かったが……
この頃何故その事を考えなかったのか疑問がレイチェルの頭の中に浮かぶ事が多い。
きっかけはあのエルフの森での出来事か!?
それとも初めて城を飛び出したあの時からか!?
それとも……?
考えるたび分からなくなった。
その事を考えると頭が痛い。
制御魔術をかけられているのかもしれない。
「わかりませんわ……」
時々、アルフェリアとレイチェルはよく似てると思う。それは何処かで孤独を持っているからかもしれない。
その孤独を紛らわすかの様に人格が豹変するのもそのせいだ。
「まあ、ぐだぐだ考えてもしょうがありませんわね。今は宝刀を手に入れる事に専念しなければなりませんし〜。
……けど、まにあうのかしら〜??」
コロシアムが終わるのが蒼月の半ば……舞会が行なわれるのが蒼月の終わり。
「宝刀展は2本になるかもしれませんわね。
戻ったらすぐに始められるように手はずをすませて置かなければなりませんわ〜!」
レイチェルは「手はずを整えよ」とだけ書いた手紙を魔術で創り出した大柄な鳥に持たせた。
ウェノではなく魔術での鳥……つまり使い魔だがウェノとそう性能は変わらない。