アルフェリアが出ていった後の地下室……
そこにはレイチェルがただ一人、彼が出ていった階段を見やりながら立ちつくしていた……。
「? ……どうかしたのかしら〜?」
しかし、その後……彼女はいきなり手を叩くと何か納得したように呟いた。
「わかりましたわ! きっとトイレだったのですわ!」
そして、石の研究に早速取りかかっていくのだった。
そして……それぞれの夜はふける……。
それから数時間語の王の寝室……
忍び寄る影があった。
その者の足取りはなめらかで音は夜の風が窓と小さく揺らすだけ……
そして、その者……漆黒の侵入者は王の寝室のベットの真横に立っていた。
そして……蒼月の月光を浴びた鋭い刃が鈍く光る……その時!
振り下ろされた刃は王の腹部に触れる瞬間!!
白い光に守られたのであった。
王を守った光はもちろんレイチェルのモノ。
忠誠を完全に誓っていないとはいえ……ビショップとしての仕事はきちんとこなしている証拠だ。
「――やはり……あのビショップが……」
漆黒の侵入者はそう言葉を残すと王の側から消え失せた。
こんな事がおこっても王は未だ眠り続け、警護騎士達は大きなあくびをかいている。
有力なビショップ年々仕えているラジアハンドは平和な国として有名だ……しかし、その均衡は今回のビショップ失踪事件によってあらゆる所に影響を及ぼした事は間違いないだろう……。
――――キン!
レイチェルの頭に小さな音がはしる……。
王に異変のあった証拠だ。
その途端、研究中の嬉しそうな表情は消え……冷酷な美を秘めた表情が顔をだす。
「久々の……獲物ね」
小さく歪めたその顔はエルフ達を一掃した時の顔そのものだった。
蒼の月の夜空の下……
漆黒の者はレイチェルを待っていた。
レイチェルもその者の姿を確認するとまた、小さく顔を歪めた。
長い……長い夜が始る。