アルフェリアは研究室が見えなくなったところで足を止めた。
その瞳から涙がこぼれる。
理由なんてわからない。ただ、涙が止まらなかった。
そうして数時間も泣き続けただろうか……
研究室の方向で光が見えた。ランプや何かにしては強すぎる光。
そして響く大きな音。
「何かあったんだ……」
一瞬、行こうかどうか躊躇った。
今の自分の心理状態で人前に出たくないという想いあったからだ。
大きく深呼吸をして、泣きたい気持ちを堪え落ちつかせる。
「よしっ!!」
アルフェエリアは自分に気合を入れて、騒ぎの方へと駆け出した。
研究室がある建物の前にはレイチェルと、いくつかの人影があった。
どうやら先ほどの光はレイチェルの魔法だったようだ。
こちらの気配に気付いたのだろう、人影の一つがこちらに振り向いた。
「あ…………」
いつものように剣で倒してしまえばいい。今までだって何度もやってきた、剣での闘い。
落ちついてさえいれば大丈夫のはずだ。けれど、まだ精神は不安定なまま。
多対一の戦闘、黒装束の男達。そして……彼らを挟んだ向こう側にレイチェルの姿。
今の不安定なアルフェリアには、ほんの些細な事柄も辛い記憶とダブって見えた。
アルフェリアの心に恐怖が広がる。そうして、アルフェリアは恐怖に身を竦ませ動くことができなくなっていた。