ラミスサイヤのいる礼拝堂から離れ……
レイチェルは研究室にへと向かっていた。
「そうだわ……今まで忘れていたけど……この石の研究が残っていたのだったわ!」
そう言いながらポケットの中を手探りで探すとゴツゴツとした石が中から出てきた。
今夜は蒼月……この前紅月の月光を十分に浴びた石はその蓄えられた紅と浴びる蒼と混ざって……紫の様な色になっていた。
「やっぱり……この石は……」
レイチェルは石を月に掲げた。
透き通った紫の石の向こうに蒼月が神々しく映っていた。
そんなレイチェルの様子を偶然見てしまったアルフェリアは今、自分が魔法を使っている事を思いだし、急いで地上に降りた。
「(……レイチェル様? どうしてこんな夜中に?)」
夕食の時にも姿を見せなかったレイチェルのこんな夜中の不信な行動にアルフェリアは疑問の念をいだいていた。
そう考えている間にも、レイチェルは研究室へとまた歩きだす。
アルフェリアは気付かれないようにゆっくりレイチェルの後をついていったのだった。
城の裏側、山と城との境目の少し怪しい雰囲気のする小屋……それがレイチェルの研究室だった。
「久しぶりねぇ〜……さてと、やりますかね〜」
レイチェルがやけに嬉しそうにその小屋に入って行くのを見たアルフェリアはレイチェルが入っていくのを確認すると自分もその小屋に気配を殺して入っていった。
小屋の中にはポツリと地下へと続く階段が一つ……
レイチェルはココへ入っていったのだろうか?
殺風景な小屋の中には彼女の姿はなくなっていた。
「うっ……なんか、嫌だなぁ……」
ためらいつつもアルフェリアは階段を降りていった。
そして、階段の終わりで一息つこうかと思ったその時!
「アルフェリアさ〜ん……」
「わぁぁぁぁぁぁ!!」
待ち伏せていたレイチェルに耳もとでささやかれアルフェリアは一気に壁に張り付いた。
「うふふ……。ようこそ〜私の研究室へ〜v」
驚かした後にハートマークは勘弁してほしい……とアルフェリアは秘かに思っていた。