ファンタジア

レイチェル18

 レイチェルの自室で二人の会話はまだ続いていた……。
「そう言えば……さっき私の母の事……なぜ知っていましたの?」
「ああ……その事か? まあ、たまたま近くにフェアリーマスターの知人が居ての……レブルの森の妖精がここまで飛ばされてきたんじゃよ」
「飛ばされた? 幾ら何でも……アスリースからここまでは〜」
「なんでも…環…とかゆうものの影響だようだ。そこでお主の巨大な魔力が環を関わって1匹の妖精をここまで飛ばしてしまったのだそうだぞ?」
「……環には……そんな力も!? あったのですか?」
「必ずしも環の力とはいいきれんがな……」

 ――トントン――

 その時、自室の扉を叩く音がした……。
「はい〜どうぞ〜」
「レイチェル様……フォルクス達の事ですが……」
 そうウェノで送られてきた手紙を見ながらルンドが自室に入ってきた。
 手紙を見ながらの為ステンダー卿には気付いていない。
「あら、フォルクスさん達……今頃どうしてるかしら?」
「ええ、そうですね……取り敢えず、撤回はしておきましたが、……!! ステンダー卿! どうしてここに!」
 ルンドが驚いた様に手紙を取り落とすとステンダー卿は愉快そうに笑っていた。
「久しぶりだね、ルンド。一つの事に集中しすぎる癖はまだなおっていないようじゃな」
「はい……申し訳ありません」
 ルンドが照れくさく言った。
 それをレイチェルは優しく笑い掛けた。
「ああ、そうだわルンド! 私、今度の舞会の進行係りになってしまったの〜! よかったら……お礼にフォルクスさん達を呼んでも良いかしら〜?」
「レ……レイチェル様が!? 進行係り!? 本当に出るんですか!あの、舞会に!?」
「まあまあ……これが罰なのだからしかたあるまい」
「ちょっと人為的ですけどね〜」
「まあ、罰なら仕方ありませんね、しかし……フォルクスさん達を呼ぶかどうかは……なにせ舞会と言うのは政治的取引を目的とした社交界の目玉ですからね……そういうのは嫌うと思いますよ?」
「そうかしら? まあ、確かにそうだけど……ちゃんと新しい技術やアカデミーの教授とかもいらっしゃるから環の事もなにかわかるんじゃないかと思って……」
「そう言えば……今回は在村の名刀の展示会も開くそうですよ?」
「そうなの!? それは楽しみね……あっ……そう言えば……刀はアルフェリアさんに渡したままでしたわ〜!」
「それでは呼んできましょうか?」
「いいわ、私が呼んできます……それでは、ステンダー卿……また、舞会でお会いしましょう〜」
 そう言って自室から出ていってしまうレイチェルをステンダー卿は笑顔で手を振り、ルンドは客人を置いていくなんて……と、小さく溜息をついていた。

「アルフェリアさん〜は〜何処かしら〜♪」

 そう歌いながらレイチェルは石造りの廊下から芝生のひろがる
 ライトグリーンズの丘を見た……そこはアルフェリアが剣の稽古をしている所だった。
「いましたわ〜♪」

 レイチェルは颯爽と丘に駆けていった。

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