「ねぇねぇねぇっ! あれが、わじゅーる?」
リーザがピョコンと飛び跳ねながら楽に聞いた。「そうですよ」
幾分疲れていたが、楽も地上に出れて気分が明るくなったようだった。
「うわぁ、本当! きゃははは、私達ってもしかして超ラッキ〜?」
と、ふいに真顔に戻ってリーザが言った。
「でもさぁ、あの遺跡、結局何も珍しいモノ無かったね〜。つまんないよ」
「まだ拙者たちは奥までは行ってないですから。もっと奥に行けば何かあったかもしれませんね」
「う〜ん、まぁいいかっ! 今はヘスティアちゃんやエルファ君に会ってみたいし♪
あと血でベタベタの服も洗いたいし〜。ショッピングもねっ」
楽はふいにこの娘は何故旅をしてるのか疑問に思った。
聞かれてリーザは何と答えようか迷った。そこで、
「楽ちゃんさぁ、私が何に見える?」「……え?」
楽は少し考えてから答えた。「……人間でしょうか?」
リーザは両手で大きくバッテンを作りながら言った。
「ぶっぶ〜! 答えはねぇ…………何でしょう〜??」
「は?」楽は聞き返した。何でしょうって……。
「実はね、私も知らないの。ホラ、これ見て。獣の耳みたいじゃない?
だ・か・ら! このリーザちゃんは、自分探しの旅の途中なので〜す☆」
そう言っていたずらっぽく笑ったリーザを見て、楽は思った。獣人なのか?
それとも、何か新種のエルフだろうか? アスリーフにには地図に載ってないような小さな村が多々あるらしい。そんな種族が住んでいてもおかしくは……。
ふいにリーザが足を止めて言った。
「あ〜あ! また楽ちゃんってば難しい顔してる〜。難しく考え込まなくていいんだってば! 若いうちからそんな顔してると、眉間にシワよるわよ〜?
あと目的といえば石集めと花集めってトコかな。石集めはこの首飾りに、花集めはおじーちゃんに関係してるってわけ。どうですか〜? お分かりかしら〜? 拙者、国語は苦手でござるー」
さいごの「拙者〜」は楽のマネらしい。楽はまた笑ってしまった。
彼女は声マネが得意らしい。楽は、リーザと合流してからしょっちゅう笑わされている自分に気づいた。
そうこう話していると、自然と歩くペースも速くなるらしい。
彼らは1日でワジュールに着いてしまった。
「ちょっと楽ちゃんっ! どれどれ!? どれがエルファ君? あ、まさかアナタ?!」
彼女が話しかけようとしていたのは、図体のデカイ大男だった。
いかにもケンカ好きっぽい。そしてその男は今にも彼女を殴りそうだった。
「違います! ちがいますってば!」
楽は適当に謝って彼女を引き離した。あのエルファがこんなむさい男に急変するわけがない。あまりにも彼女が2人にあいたがるので楽も一緒に探すことにした。
宿屋、八百屋(?)などワジュールのあちこちを歩き回った。
見つからないままお昼になったので2人は食堂に入ることにした。
そこにいたのは……。