ファンタジア

ヘスティア7

「このままでは大変です!! 動かないでおさまるのを待ちましょう!!」
「わ…分かってるけど…立ってられない!!」
 ものすごい砂嵐のなか、ヘスティアは叫んだ。
 もう隣にいるはずの楽の姿も見えない。
「それより…エルファ君とシェーナが!」
「ええ…おそらくもう近くにはいないかもしれません!!」
 楽の声もだんだん聞こえなくなってきた。
 まだ風が強くなっているという事だろうか。
「それより…私、もうやばいっ!!」
 ヘスティアはすでに吹き飛ばされる寸前で、先程からかなり無理をして踏ん張っている状態だ。
「ヘスティアさん、がんばってください!!」
 楽は何とか立っていられたが、この風は簡単にはおさまりそうにない。
 いつかは自分も立っていられなくなるだろう。
 しかし、みんながバラバラになってしまう事は防ぎたかった。
 この砂漠の中、再会するのは至難の業だ。
「っていうか何をがんばればいいのよ…っきゃああっ!?」
 ついにヘスティアが風に足をとられ、吹き飛ばされた。
 そのまま砂嵐にのってしまったようで宙に舞った。
「ヘスティアさんっ!!」
 楽が何か叫んだが、ヘスティアにはとどいていなかった。
「―――っ!!」
 目が回る。だから目を閉じたが逆効果らしく、ものすごい吐き気がヘスティアを襲う。
 意識を保っていられるのも今のうちだろう。
 だが無意識に両腕の腕輪を手でおさえた。
 これだけは離すわけにいかない。
 ヘスティアはこの時初めて自分の体重を恨んだ。
 周囲のひとには羨ましがられたのに。 
 そこで限界がきたらしく、ヘスティアの意識は闇に落ちた―――

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