次の日の朝。
静かに目を覚ましたエルファは、自分に白いシーツがかぶされていることに気づく。
(あぁ、ここの人がかぶせてくれたのかな?・・・・・・・・・・!!!!!!)
そして跳ね起きる。
「あ……あ……」
(シーツをかぶせたって事は、僕の羽根見たのかな?!)
そう思うより早く、エルファはマントをひっつかみ食堂に降りていった。
結構いい雰囲気の食堂には、エルファが泊まる前から泊まっていた男が一人で座っていた。
奥には台所があり、その宿の主が、なにやら変な物を作っていた。
彼が食堂の中を見回していると、後ろから声が掛かった。
「ちょっと、君」
振り返ると、宿のおばさんが廊下を歩いてきた。
「あっ。あのぉ! その……僕の……」
「羽根ね」
エルファが駆け寄ると、おばさんは小さな声を出して言った。
「!…………」
エルファがうつむくと、おばさんはふっ。と微笑んだ。
「大丈夫。秘密にしてあげるから」
「ありがとう!」
「…………。可愛いわね。あなた、まだ子供でしょう? いくつ?」
「なっ。こっ…こど……。13です」
エルファは顔を赤らめて、答える。
そして、自分の部屋に戻ろうと階段を駆け上がると、下からおばさんが、
「朝ご飯食べていきなさいねぇ」
と、聞こえてきた。
「はい」
と一応答えたが、食べていくつもりは無かった。
早くここから逃げだしたかった。
だから今日も砂漠に行くことにしたのだ。
(途中にお店でも寄っていけば……)
「おい。ガキ」
今日もやはり暑い砂漠の中で、エルファは見知らぬ男に声を掛けられた。
「!」
肩を揺すられ、エルファは男を睨む。
「お前、食いもん持ってんだろ? 寄こせよ」
「…………嫌だ」
睨んだまま答える。
「寄こせってんだ」
「嫌だ」
「寄こせ!」
「嫌だっつってんだろ!!!」
肩に掛けられた手を勢いよく払い、エルファは今来た道を走り戻った。
昼を少し過ぎた頃、エルファはそぉーっと、宿の扉を開き、中に入った。
管理人の部屋の前まで来てその戸を開けようとしたとき、
「有翼人ね。あんまり珍しい生き物じゃ無いけどその手のとこに売ったらいくらかはするかもね」
「…………!…………」
がこっ。パリィィン。
エルファの隣りに立て掛けていた鏡が倒れ、大きな音が鳴る。
「誰?」