いや〜久しぶりのラジアハンドの空気にくつろいでいるブレスです。こんにちは。
いまラジアハンド周辺にいる冒険者さんたちはどのくらいいるのでしょうか?? もうそろそろ出会って交流を深めていきたいな〜と感じています。イヤ……その前に路銀を増やさなければならないだろうか? そう! ラジアハンドのビショップ様の似顔絵を城門でもらいました。かわいかった。このビショップ様を見つけたら沢山お金を貰えるんだこれが。えっ? 知ってるって? しかももう追っている人がいるって?? ……諦めるか……。
「リットちゃん……どうしたの?」
リットちゃんは今にも泣き出しそうな顔をしていた。胸には本を抱き立っていた。
「入りなよ」
俺は部屋に案内し、リットちゃんに一脚しかない椅子を薦め、俺はベットに座った。俺はなんとなく手持ち無沙汰になり、紙袋から林檎をとりだし一つ彼女に薦めたが首をふられ俺だけ皮を剥かずそのままかじり付いた。シャクシャクと林檎をかじる音だけ鳴っていた。ドラゴンのエスペランサも気絶から何時の間にか熟睡モードに入っていた。
「ブレスさんにこれ渡そうと思って……。先生の研究書です。私には魔法が掛かっているみたいでこの本を開くことができないんですが、ブレスさんを泉から助けだした後に、先生にこれから私が成すべきことを教えられて、最後にこれをブレスさんに渡すよう言われました」
そういって持ってきていた厚い重そうな本を俺に渡した。厚さが結構あった茶色の皮張りの丈夫そうな本だった。
「先生には本当にお世話になっていたんです。身よりがなくなってしまった時に拾ってもらって勉強もいろいろ教えてもらいました。本当に沢山感謝しきれないほどだったんです。ブレスさんが来て先生が、急に私にブレスさんと一緒に森をでてプリーストなった方がいいとおっしゃったんです。学校へ紹介状も書いていただきました」
そしてまた沈黙。俺はリットちゃんが涙をためて話していることに気がついたが、涙を見せまいと必死に耐えてる姿を見るとハンカチを差し出すことはできなかった。あのババーも彼女にしてみればかけがえのない人だったに違いない。
しかし、そのいっぱいの涙がとうとうこぼれた時、顔をあげ俺に懇願するかのような表情をして聞いた。
「先生にお礼を言える時がきますよね!? 立派なプリーストになった姿を見せられますよね!? ブレスさんは私のことを忘れないでくれますよね!?」
リットちゃんは俺に抱きつき大泣きをしだした。俺は彼女を振り払うことなんて出来なかった。食べかけの林檎は俺の手から転げ落ち黒光りした床にコロコロと果汁の線を描きながら転がり止まった。
「大丈夫だよ。俺はリットちゃんのことは忘れないし、ババーとは会える。一人ぼっちになんてならないよ。……この街に帰ってくるたんびにリットちゃんに会いに行ってもいいかな?」
涙で塗れた顔を彼女はあげた。いつもの気丈そうな顔はなく、不安にゆれる女性の顔だった。俺は一瞬ドキッとさせられ胸が高鳴るのを必死でおさえた。
「絶対会いに来てください! 私はそれを支えにこれから一人でがんばります」
そう言って不安の顔が今まで見たことないようなそれは綺麗な笑みをみせた。
俺は抱きしめたいという気持ちをなんとかおさえた。彼女は一人ぼっちになるのが辛いのだ。俺に好意を持っているのとは違うのだから俺は我慢をした。
リットちゃんは晴れやかな顔で俺の胸の中から立ち上がった。
「明日一人で教会まで行きます。だから紹介状ください」
俺は手の近くに放りだされていた鞄をたぐりよせ筒状のケースに入っている紹介状を渡した。“一人で平気?”だなんて野暮なことは言わなかった。目を見れば分かった。強い光を持つその瞳に俺はリットちゃんの未来が輝かしいものになることを確信をし、また再開できることを楽しみにすることにした。
俺はドアまで送ることにした。そしてドアの所でリットちゃんは急に振り返った。
「ブレスさん。……絶対会いに来てください。私はブレスさんが会いに来てくれるたびに成長しているように努力します。だから……そんな顔しないでください」
??? 俺は自分でどんな顔かと考えた時には俺の唇はリットちゃんの唇に覆われていた。一瞬のことだった。俺がビックリしている間に風のようにリットちゃんは消えていなくなっていた。
俺は当然ボーゼンとしていた。
「若いね〜……」
…………。
「情けない顔してたよブレスくん。男として毅然として送れだせないの〜?」
〜〜〜〜〜!!!(声にならない。)
「は〜……まだまだ修行がたりないな〜」
見られていたのだ。しかも見られたくない相手にだ。
「いつから見てた!!? エンペランサ?」
「おう? ブレスくんが林檎落とした時から。良い気持ちで寝てたのにさ」
振り返るとタオルの上で腹這いになってニヤニヤしながら俺を見ていた。
「人生の励みが増えてよかったじゃん。人生には女っ気もないとはりあいないでしょう? あの子はいい女になるよ。うん」
俺はなるべくエンペランサの言葉には耳を傾けないようにした。ベットの上で狸寝入りをしていたがいつの間にか本当に寝ていた。