どうも。前回はエンペランサの長すぎる前説ですみません。なんとか人食い霧のやつとはさよならできたようです。もう2度と船には乗らないとエスとも誓いあいました。その誓いあっている姿を見てクロスドが「初体験が強烈だったからな」と疲れ気味に言ってました。船長に船旅はもっといいものですと訴えられようが、とても聞き入れられる気持ちの余裕はなかった訳で……。
「今度は砂地獄かい? 熱いよ〜」
ここは真昼の太陽はサンサンと照りつけている砂漠である。いきなりなぜ砂漠?
それは船からいち早く脱出するためエンペランサが飛んできたわけだが……。アスリースに行くはずが砂漠に不時着をしてしまったわけである。その理由は…。
「おい! トカゲ君。どうせならなんでストレシアまで飛べなかったんだ??」
そう俺一人乗せてアスリースに行くことならエンペランサは自信があったのだが、借金取り立て屋が付いてきてしまったのだ。ということはその主人であるこの子も。
「クロスド。お前の火事場泥棒のせいもあるのだから文句は言わない方がいいと思うぞ」
そう言ってなめし皮の袋をクロスドに渡そうとした。
「これ重いんだ。処分していいか? 金など無駄に持ってても邪魔なだけだ」
「あー!! あんたそんなのも持って来てたの?? そもそもあんたが一番重いのにさらにそんな荷物まで持ってくるなんて図々しいのもほどがあるわよ」
「解ってねーな。この世は金があればどうにでもなるんだぜ?」
なんだかんだ言いながらこの砂漠を大騒ぎしながら歩いている。だが俺はこの会話の中に入れずにいた。なぜならこの熱さに完全に参っていたのだ。汗すらでてこなくなっていた。ポケットを探れば、あの不思議な人から貰った赤い赤い透明な玉がある。救助船にもいなっかた。あの人はだれだったのだろう。
ストレシアの城はもう見えていた。まったらいらだから見えるだけで、距離感も狂っているのかもしれない。歩いても歩いても距離が縮まらないように感じる。砂に足が埋まり、気を抜けばどこまでも沈んでいってしまいそうだ。
「なんでそもそもあんたがあたしとブレスくんの旅に付いてくるのよ!! あんたはリエルちゃんに付いていけばいいのよ!! あんたがいなければ今ごろアスリースの上空だったのに! それにねあたしはあんたに一言言ってやりたかったのよ!」
「全くうるさい。ブレスには借金がある。その借金をちゃんと耳をそろえて返してもらわなけりゃー気がすまないんでね」
エンペランサの声が本当にうるさい。よくもまーこんなに次から次へと言葉が出てくるものだ。俺がそんなことをボーっと考えていると、肩をポンと叩かれた。
「ブレス平気か? 皮のコートは熱を含んで熱いだろう?」
そう言われて振り返るつもりだったが、意識が完全に途切れた。ドサッと砂の上に倒れる俺の体。慌ててリエルが起こそうとするが、意識のない体は数倍重くかんじ、起こすことも出来なかった。
「キャ―――ッ!!! ブレスくんっ!!! 大変!!」
「トカゲ君の主人は本当に虚弱体質だな」
「熱射病による脱水症状だな。涼しい場所で休ませるといいんだが」
「涼しい場所ねっ!?」
エンペランサは空高く上昇し、辺りを見回していた。
「西の方に小さな集落があるわっ!」
「それはたぶんワジュールだと思う」
博識家クロスドが答えた。
「あー――! そんなことどうでもいいわっ! アスリースとは逆方向だけど、ブレスくんの命には代えられないわ!」
エンペランサは少ない体力で体を大きくし、俺を足で大事に捕まえ空を舞った。
「じゃあね! 悪いけどここでお別れだわ!」
そう砂漠の真中で二人に言い残しワジュールに向けて飛びだった。
「おいおい、俺は借金を取り立ててやるからな!」
砂漠の原に残された二人。ワジュールまで一日弱の所だった。
「と、言う事は、私もワジュールに行くということか?」
リエルがクロスドにつっこんだ。