こんにちは。ブレスです。なんと、今回10回目です! のろ〜い! って思ってる人! 素直に出てきなさい! ……。正解です。かなり遅いです。sunredはノロイのです。しかし! ノロイからかそ、10回目の二桁が嬉しく思うのであります。さて、今回は初接触編でもあります。ですから、あまりここでおしゃべりしすぎるのも無粋ので、さっそく本編へどうぞ。
「ちょっと、今日はあたしの分も残しといてよんね〜」
あーなんてうるさいんだろう。
「あのな〜! 昨日は絶対お前が悪いいんだぞ! 寝坊するやつがいけないんだ」
「あ〜それでもあたしのマスターなの!?? あたしがどんだけひもじい思いをしたと思ってるの!!??」
無茶苦茶なことを言うやつだ。昼飯はほとんど一匹で食べたくせに。俺は大人な対応で、もう言い返すのもやめた。
「ハァ〜……」
俺はいつもどうり、食堂のカウンターに座った。そしてやっぱりいつもどうりの席にあの怖いお嬢さんと、へんな仮面をしている、暗いヤツがいた。へんなとり合わせだなといつも思っている。
「おばちゃーん! 今日のご飯何??」
エンペランサは一切そんな奴等のことなど関係なしのようだった。
「トカゲちゃんにはりんごだよ」
もう、トカゲと言われて否定するのも面倒くさくなっているようで、トカゲと呼ばれてもいいようだった。
「うさぎに切ってね〜」
俺は俺用の飯を受け取った。魚料理をこの船に乗って一生分食ったような気がする。それでもまた魚だった。魚の骨でとったダシにワカメの入ったスープに魚の香草焼き、そして小さなパン……。食わない訳にもいかず、食った。
「そこの緑色の髪の毛の人。暇じゃねーか?」
緑色の髪の毛のやつを見まわすがいるわけがなかった。俺のことか……。
「別に、暇じゃない」
そう答えて振り返ろうとしたら隣の席に座ろうとしている仮面を付けた男がいた。
「!!」
「白いトカゲなんてめずらしいね。どこで捕まえたの?」
不気味なやつ〜あまり関わらない方がいいような気がした。そう思ったのに、噛み付いたのはエンペランサだった。
「トカゲじゃないわよ! ありがたいドラゴンよ! それにあたしが付いてきてあげてるのよ」
「元気なトカゲ君だ」
そう言ってクックックッと笑っていた。エンペランサがまた噛み付こうとしたが、本当に牙で噛み付きそうだったから、手で押さえて何もさせないようにした。
「それにドラゴンを連れていて、船旅なんて随分酔狂な旅みたいだな? それともそのトカゲ君大きくもなれないようなドラゴンなのか?」
エンペランサは明らかに不快を示している。俺はため息をついた。
「・……なんで、あんたそんなに突っかかってくるんだ? こいつ気が短いんだ」
「暇なんだ」
そんな理由でケンカ売ってくるなんてそっちの方が酔狂だと思うのだが……。
「連れは見ての通り冗談の分からない少女だ」
仮面の男はそう言った。俺は言われた少女を見てみると、少女はジッとこっちを見ていた。相変わらず愛想のない顔だった。
「ブレスくん、そんな男相手にしちゃだめよ!」
「別にトカゲ君には言ってないぜ? どう? 俺とカードで賭けしないか?」
俺は迷った。俺自身は暇だったし、ゲームは嫌いじゃない。ただ、このドラゴンがうるさいんだ。
「いいよ。やろう」
俺は賭けを引き受けてしまった。この後とんでもなく後悔することになるのに……。
日当たりのいい甲板でやることにした。エンペランサは機嫌悪そうに随分離れたところに腰を据えて見ていた。
「ブラックジャックは知ってるか?」
「知ってるよ」
自信ありげに聞いてきた。エンペランサとは全くそりが合わないのはこのためだろう。簡易用のテーブルを引っ張り出して椅子にかけた。
「さ、やろうか? 俺が親をやるから。その方がいいだろう?」
仮面の男は鮮やかにカードをきりくばった。
俺の手持ちカードは全てを合わせて20。悪くないっていうかむしろ勝った。
「20だ」
仮面の男が口笛を吹いた。
「ほ〜……悪いな。俺はブラックジャックだ」
「!!!!」
頭上からため息が聞こえた。いちいち感に触るやつだ。
「もう一回!」
その後俺は目のあてられぬほどの負けっぷりだった。
「どうする? 多額の借金みたいだけど?」
にやにやしてやがる!! さすがの俺も堪忍袋の緒が切れた!
「―――――――――――!!!!! テメ―――――イカサマしてるだろ?」
俺は鞘から師匠から譲ってもらった剣を抜いた。俺はその剣をおもいっきり振りかざし切りかかった! しかし振り落とされた剣先にはだれもいなかった。いつの間にか背後に気配を感じた。俺は振り返る。
「お? 気配に気づいたか。五感は優れてるみたいだな。けど、ホールドアップだ」
銃が俺の額にあてがわれていたのだ。
「!!!!」
「イカサマだと思うなら、どうやったのか見破るんだな。借金は返してもらうぜ」
完全に頭に血だ登ってる俺は銃をはらったが、
「往生際が悪いな。借金がなければ殺されるところだったぜ?」
今度は細身のナイフが俺の喉にあてがわれていた。
「君に俺は倒せないね。なぜだと思う?」
完全に押さえ込まれた俺の体。師匠にもらった剣が床を転がっている。
「君は剣を使ってるんじゃない。使われてるってことだ。体に合わない武器は持ってても玩具にしかならないぜ?」
「!!!」
俺はショックを受けた。仮面の男は俺の剣を拾い眺めた。やつの手から自由になれたが、動くことが出来なかった。
「軽いし良い素材で出来てる。この剣はおまえに使われるなんてかわいそうでしょうがないな。一流の剣士が持ってもいい代物だ。宝の持ち腐れだな」
ババーには騎士にはなれないと言われ、この男には剣を持つに値しないと言われた。
「おとなしく普通のドラゴンマスターになるんだな。ドラゴンマスターより下か?」
「もーいいでしょう? 充分こたえてるんだから」
戦闘態勢のエンペランサがストンっと上から飛び降りてきた。俺は落ち込んでいた。何も言えず見守っていた。
「これはこれは、トカゲ君? 随分逞しい姿だね」
「おちょくるのもいい加減にしなさい」
仮面の男は両手を上げながら船室の方へ歩いて行ってしまった。戦闘態勢から、通常の形に戻ったエンペランサが飛んできた。
「ブレスくん……」
そんなやりとりを少女はずっと眺めていた。そして落ち込んで座りこんだブレスに少女は歩いてきた。情けない所を見られたようだ。