アルフェリアはきょろきょろ落ちつかない様子で宿の周囲をうろうろとしていた。
「アルッ!! 前から言ってるだろ、自分勝手な行動するなって!」
一応ことが片付いたので一度ルークに顔を見せにきたのだが……。怒られるのがわかっていたのでなかなか入れなかったのだ。
アルフェリアはしゅんと肩を落として素直に謝った。
「あのなぁ……下手すりゃアルの命が危ないんだぞ。頼むからあんまり心配かけないでくれよ」
ルークは最初呆れた口調で、そして最後には懇願に近い口調でそう言った。
心配かけて悪かったと思う気持ちと、そこまで過保護にしなくてもいいじゃないかと言う気持ち。
そんな想いの狭間でアルフェリアはふくれっつらをして見せ、それから誇らしげに言った。
「大丈夫だよ、あいつらちゃんと倒してきたから」
ルークの瞳が鋭く光る。ちょっと怖い表情だけど、その瞳の光は優しい光だ。心からアルフェリアを心配してくれている。
「大丈夫だったんだな?」
アルフェリアに視線を合わせて、ルークはそう聞いてきた。
アルフェリアはにっこりと笑顔で頷く。
ルークは小さく息を吐くと、オルドラ
ンに会えなくなっちまったな。と苦笑した。
「え?」
ルークは棄権したようだが、自分は棄権などしていない。
「お前ちゃんと対戦表見たか? 負戦敗になってるぞ」
「え゛…………」
慌てて確認すると、確かにアルフェリアの試合は今日の夕刻。ちょうどさっき刺客たちと戦ってたころ。
「うっそぉ……タイミング悪すぎっ!」
唸ってはみるものの時すでに遅し。今更何を言っても仕方ない。
「アルはこれからどうするんだ?」
ふっとアルの耳に飛び込んできたその言葉。アルフェリアが答えないのを見ると、ルークはさらに言葉を続けてきた。
「よかったら一緒に来ないか? アル一人くらいなら充分養えるぞ」
相変わらず子供扱いなルークの言葉にアルフェリアはむっとした表情で言い返した。
「僕だって一人で自分のことくらいなんとかなるよ! ルークと離れてる間だってちゃんとできたんだから!!」
ルークは小さく笑ってそうか、とだけ答えた。
そして……
「わかった。それじゃぁ、これだけは絶対に覚えとけ。おれはクラリアットの城下町にいる。なんかあったらいつでも頼って良いからな」
その言葉にア
ルフェリアは頷き、二人はコロシアムの地を後にした。