「たっだいま〜♪」
アルフェリアはご機嫌な様子で部屋に入ってきた。
それを見てルークはにやりと笑う。
「勝ったか?」
「もちろんっ!」
ルークの問いに即答するアルフェリア。二人はその日の試合の話で盛り上がり始めた。
そうして話をしていた時だ、扉がノックされたのは。
「はいはーいっ」
とりあえず扉に近いほうにいたアルフェリアが扉を開けるために立ちあがった。
扉の向こうに居たのはレイチェルだった。
「レイチェルさん。なんでここが?」
その問いに、レイチェルは穏やかな笑みで答えた。
「さっきこちらに入ってくるアルフェリアさんを見つけて、宿の方にお部屋を聞いたんですわ〜」
レイチェルは部屋の奥に目をやった。
「そちらがルークさんですか? はじめまして。私、レイチェルと言います〜」
「はじめまして。アルから話は聞いてるよ。ラジアハンドのビショップ様なんだって? 若いのに凄いな」
その言葉にレイチェルは少しばかり苦笑したが、言葉にはしなかった。
「でもよかったー。対戦まで会えなかったらどうしようかと思ったぁ」
本気で心配していたのだ。試合の時間はずれているし、宿もわからないし……。
「アルフェリアさんも参加してるんですか〜?」
「うんっ♪」
レイチェルの問いに、アルフェリアはにっこりと笑って元気よく答えた。その後をルークが続ける。
「おれは戦士部門、アルは魔法部門だ」
えっ? とレイチェルが目を見張った。
「アルフェリアさん、魔法使えたんですか〜?」
「うん、一応。レイチェルさんには敵わないけどね」
照れたように笑うアルフェリアを前にして、レイチェルは不思議そうに首をかしげた。
「どうしたの?」
アルフェリアもレイチェルのその表情を不思議そうに眺めて問い返す。
「いえ……」
確かに何か疑問を持っているのはわかるのだが、レイチェルはそれを口に出して聞こうとはしなかった。
「アル、ちょっと頼まれてくれないか?」
「?」
いきなりのお願いにアルフェリアは少しばかり戸惑ったが、それでも文句を言う事もなく出かけていった。
アルフェリアがいなくなった後の部屋で、ルークは唐突に話を切り出した。
「あんたがさっき疑問を持ったのってアルフェリアの態度っつーか雰囲気だろ?」
レイチェルが頷いたのを確認してからルークは更に言葉を続けた。
「あいつさぁ、どうも実際の年齢に精神年齢が追いついてないらしいんだよ。おれがいないところでは年齢に見合う様に振舞ってるみたいなんだが、おれがいるとどうもそういう風に自分を作ったりしないらしい。
だけどあいつ自身は自分が幼いってことは自覚してないみたいなんだ。あんまり気にしないでやってくれな」
ルークは、少しばかり苦い表情で笑って見せた。