ここまで――といってもほんの数日だが―― 一緒に来た神官騎士二人に速攻別れを告げた。
約束通りレイチェル探しは続けるが一人で行動するほうが動きやすいと言うのがその理由だ。
今更と言えば今更だが、本気になってしまったのだから仕方ない。ほんの数分前、ルンドとか言うあいつに会うまではレイチェル探しはただの暇つぶしと金づる程度にしか思っていなかった。適当に付き合ってればいいやとか思っていたのだが……
……………………
めっちゃくちゃむかついた!!!
元来が負けず嫌いであるアルフェリア。このまま引っ込むのは絶対に気が済まなかった。
というわけで、アルフェリアは本気でレイチェルを探し、ルンドとレイチェルが会うのを妨害するかもしくは、ルンドより先にレイチェルをラジアハンドに連れていってやろうと思っていた。
早く行くなら歩きよりも馬よりも良い方法を知っている。
風属性の魔法の一つで、空中移動が出来る魔法だ。速度や高度は術者の力量によるが、アルフェリアには自信があった。
まだ朝方。自分の力量ならば半日以内ににアルサロサまで着ける。半日と言う時間はこの魔法を連続して使い続けるにはギリギリの時間だが、なんとかなるだろう。
問題と言えば問題がいくつか……。
今まではアスリースから離れていたこともあって、魔法を使う時にあまり気を使っていなかった。ナイトとして、戦闘に魔法を用いることは絶対にしないということぐらいだ。
しかし、アスリースに入ればそうはいかない。ランディ家を知っている者が増えるだろうし、当然ランディ家の騒動を知っている者もいるだろう。
「ばれたら終わり……だな」
アスリースに入ったら絶対に人前では魔法は使わない。もちろんアルサロサに着くまでは別として、だが。
幸いフォルクスもレイチェルも自分が魔法の使い手であることは知らない。まぁなんとかなるだろう。
もう一つの問題が自らの腕に残るランディ家の家紋のこと。
どんな魔法を使っているのか知らないが消えないのだ、これは。
焼き消してやろうかと思ったこともあった。実行してみたら確かに一度は消えた。が、また浮き出てきたのだ。ちなみにその時の火傷は僧侶に直してもらったのでキレイに治っている。
こちらに関しては魔法と違って一度見つかれば誤魔化しは効かない。
とりあえず今まで通り長袖の服と、念のためにリストバンドか何かで隠しておくことにした。
「さて、行くか」
準備を整え、アルフェリアはアルサロサに向かった。