ファンタジア

エルファ5

 透き通る声。
 エルファを取り囲む人々は砂漠の暑さも忘れ、エルファの唄に聞き入った。
 やがて唄が終わり、エルファが一息ついたすぐ後、
 ――――ぱちぱちぱちぱちぱち……
 誰からともなく拍手が上がった。
 そして、彼の傍らにある袋の中身などかまわず、金貨や銀貨を投げ入れる。
 それがあまりにも上手く入るので、今度はエルファが見入る番だった。
 エルファが立ち上がったのは、人々が散り散りになったときだった。
 もうずっしりと重くなった袋を持ち、エルファは砂漠に向かって歩き出した。
 空はもう暗くなりつつあった。
 砂漠の夜は寒い。
 日中とは正反対だった。
「う〜〜〜ん……どうすっかな?」
 どこに行こうか? と、迷った。
 考えるのが下手なエルファはただ、砂漠の中を彷徨う事にした。
 誰かに会うだろうか?逢わないだろうか?
 そんなのどうでも良かった。
 ただ、今までいたオアシスとは違う所に行きたかった。
 だから歩き出した。

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