透き通る声。
エルファを取り囲む人々は砂漠の暑さも忘れ、エルファの唄に聞き入った。
やがて唄が終わり、エルファが一息ついたすぐ後、
――――ぱちぱちぱちぱちぱち……
誰からともなく拍手が上がった。
そして、彼の傍らにある袋の中身などかまわず、金貨や銀貨を投げ入れる。
それがあまりにも上手く入るので、今度はエルファが見入る番だった。
エルファが立ち上がったのは、人々が散り散りになったときだった。
もうずっしりと重くなった袋を持ち、エルファは砂漠に向かって歩き出した。
空はもう暗くなりつつあった。
砂漠の夜は寒い。
日中とは正反対だった。
「う〜〜〜ん……どうすっかな?」
どこに行こうか? と、迷った。
考えるのが下手なエルファはただ、砂漠の中を彷徨う事にした。
誰かに会うだろうか?逢わないだろうか?
そんなのどうでも良かった。
ただ、今までいたオアシスとは違う所に行きたかった。
だから歩き出した。