その日、二人は適当に宿を探し泊まった。
次の日の朝。
「エルファさーん。朝ご飯ですよぉ」
「んん……。はぁい」
楽の声を聞き、目をこすりながらむくりと起きあがった。
「あ、おいしい。ここのパン」
「ですね。……それより昨日、エルファさん図書館でうなされていたのですが。
拙者はどうも気になって……何の夢を見ていたのですか?」
パンにかぶりつくエルファを見て、楽は聞いた。
「はむ?」
パンを口の中に詰め込んだエルファは、急いでミルクを口の中に流し込みゴクン。と口の中を空にした。
「ん……。あのね、砂漠があってそこに一人の男の人が立っていた。前も見たことがあった。……そう楽と初めてあった日の夜だったかな。それで男が言ったんだ。『助けてほしいんだ。淋しい……』って」
楽はパンを取る手を止め、エルファの話しを聞いた。
「その男の人の名前は?」
「知らない。教えてくれないんだ。僕も知りたい」
ミルクのカップをテーブルに置き、エルファはうつむいた。
(これ以上何も聞かない方がいいかな)
楽は、話の矛先を変えることにした。
「あの。この後どこに行きたいですか?拙者は一応城でやることはやりましたけど。エルファさんが行きたい所に行きましょう」
「ん〜ん。どこ行こう。ぶらぶらしようか……。あっ! 僕お金貯めなきゃ。あげちゃったから」
「ああ、そうですね。歌歌うんですか? 拙者ももう一度聞きたいですし」
朝食をとった後、二人は町の一番人が集まる場所に向かった。
あー、あー。と何度か発声練習をしたあと、エルファは静かに歌い出した。
楽は隣で久しぶりに歌に聴き入っていた。
人が集まる。
アッという間にエルファのまわりに人だかりが出来た。